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土壌調査

 土壌汚染対策法施行以来、土壌汚染が広く社会に認知されるようになり、土壌調査(土壌汚染調査)の重要性が増しております。


土壌調査の契機

1,土壌汚染対策法に基づく調査

 土壌汚染対策法では、
  • 「使用が廃止された、有害物質使用特定施設※に係る工場又は事業場の敷地であった土地」(法第3条)
  • 「土壌汚染により健康被害が生じるおそれがあると都道府県知事が認めたとき」(法第4条)
に法律に従い、土壌調査を実施することになっています。

※ 有害物質使用特定施設とは水質汚濁防止法施行令別表第1に掲げる施設のうちで、特定有害物質を製造・使用・処理している施設のことを示します。

2,各自治体条例に基づく調査

 自治体によっては、法とは別に条例を設けて土壌調査を義務づけてます。

 岩手県では条例により健康有害物質取扱施設を設置しているものについては、年一回の土壌及び地下水の調査が義務付けられています。健康有害物質取扱施設とは以下の施設を言います。

  • @汚水等排出施設(湿式集じん施設又は廃ガス洗浄施設(水質汚濁防止法施行令(昭和46年政令第188号)別表第1各号に掲げる業に用いるものを除く。)
  • A水質汚濁防止法施行令別表第1に掲げる施設
  • B廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の4第1項の規定による許可を受けている者が設置している当該許可に係る廃棄物の積替え若しくは保管の場所又は同条第6項の規定により許可を受けている者が設置している当該許可に係る廃棄物の保管場所

 土壌汚染対策法では@、Aの施設を対象としていますが、県条例ではその他にBの施設が規制の対象に加わっています。

 健康有害物質は水質汚濁防止法施行規則別表の有害物質26項目と同様です。

3,不動産取引における調査

 土壌汚染対策法や各自治体条例は人の健康被害の防止を目的としておりますが、近年、不動産価値としての土壌汚染の重要性が増してきております。購入した土地に土壌汚染が見つかり、訴訟になった事例も数多く報告されております。
 このような情勢から、不動産関係法規等が改正され、土壌汚染の疑いがある土地について土地取引や鑑定評価を行う場合、土壌調査を行うケースが一般的になっております。

<宅地建物取引業法施行令改正(平成15年2月15日施行)>
 宅地建物取引業法第35条に基づく重要事項説明の対象として、対象地が土壌汚染対策法上の指定区域内にあるか否かを確認することが必要になりました。

<不動産鑑定評価基準改正>
 平成14年7月3日に不動産鑑定評価基準が改定され(平成15年1月1日施行)、不動産の価格を形成する要因に「土壌汚染の有無及びその状態」が追加されました。これにより、不動産鑑定士はその土地の土壌汚染の状態を鑑定評価に資することが必要になりました。
 また、平成19年4月2日には不動産鑑定評価基準が一部改正され(平成19年7月1日施行)、「証券化対象不動産の価格に関する鑑定評価」が追加され、証券化対象不動産の鑑定評価にエンジニアリング・レポート※を活用することとしています。エンジニアリング・レポートの内容の中に「土壌汚染リスク評価(フェイズT調査)」が盛り込まれております。

※ エンジニアリング・レポート…デュー・デリジェンス(対象不動産を適正に評価するために行う、法律、経営、建築、環境等の調査)のうち、物理的調査の報告書。エンジニアリング・レポート内容は「建物調査状況」、「建物環境リスク評価」、「土壌汚染リスク評価」、「地震リスク評価」の構成になっている。

4,マンション事業用地取得時の調査

 社団法人不動産協会では平成14年11月に「マンション事業における土壌汚染対策に関する留意事項」を作成し、土壌汚染調査に関し、以下の留意事項を挙げております。
  • マンション事業用地の取得に際しては、売主に対し、土壌汚染に関する詳細な情報の提供を求めるとともに、自らも実査、地図、登記簿、航空写真、指定区域台帳等の閲覧、近隣、売主、行政等からのヒアリング等によって土地利用の履歴等の調査を行い、土壌汚染に関する情報を収集する。
  • マンション事業用地については、土地利用の履歴等調査により汚染がないことが確実な場合を除いて、土壌汚染に関する状況の調査を行う。

5,金融機関のための調査

 土壌汚染の存在が明らかになることによって金融機関に及ぼすリスクとして以下の事項が考えられます。
  • 土地の担保価値下落
  • 土壌汚染の調査・浄化費用等が膨らみ、融資先の財務状況が悪化し、融資金額が回収できない可能性
  • 融資を決定した金融機関の企業イメージの低下
 平成19年2月16日に金融検査マニュアル(金融庁)が改訂され(平成19年4月1日施行)、担保評価額検証の留意事項として「土壌汚染・アスベストなど」が追加されました。

6,企業の環境リスクとしての調査

 企業のリスクマネジメントとして、土壌汚染による環境リスクの判断に、土壌調査を行うことをおすすめします。操業時に土壌汚染の点検を行うことで以下のメリットが生まれます。
  • 企業の資産価値評価
  • 企業のイメージアップ
  • 土壌汚染の未然防止(土壌汚染が認められない場合)
  • 土壌汚染の拡大防止(土壌汚染が認められた場合)


土壌汚染リスクが存在する可能性がある土地

 以下のような土地に土壌汚染リスクが存在する可能性があります。

  1. 有害物質を取り扱っている又は過去に取り扱っていた事業所が存在する土地

    ⇒配管・施設の老朽化による漏洩、不適切な取扱等で土壌汚染の原因となる有害物質が地下に浸透している可能性があります。

  2. 昭和45年以前から操業している工場又はそのような工場が過去に存在した土地

    ⇒ 昭和45年以前は廃棄物や廃水を取り締まる法規制が脆弱で、有害物質を含む廃棄物が敷地内に埋立・焼却処分等された可能性があります。

  3. 1及び2に隣接している土地

    ⇒ 1,2の土地から、有害物質が土壌・地下水を通じて移動し、敷地内に土壌汚染が広がっている(もらい汚染)可能性があります。

  4. 外部から土壌が持ち込まれ、土地造成された土地

    ⇒ 持ち込まれた土壌に有害物質が含まれている可能性があります。

  5. 海岸近く、鉱床地帯、火山地帯等の土地

    ⇒ もともとの自然地盤に有害な重金属類が含まれている可能性があります

調査方法

 調査は以下のフローに従い実施します。より詳しい調査方法はこちら


フェイズT調査 ASTM E1527の手法等を用い、資料調査、現地踏査、ヒアリング調査などによりその土地に有害物質による土壌汚染のおそれがあるかどうか否かを判定
フェイズU調査 土壌の採取、分析などを行い、土壌汚染の有無を判定。土壌汚染が認められた場合、ボーリング調査等を行い、汚染範囲を確定。
フェイズV 土壌汚染の対策を立案、実施



地形図、航空写真、住宅地図の精査(フェイズT調査)

簡易ボーリングマシンにより、土壌サンプリング(フェイズU調査)

ポータブルガスクロマトグラフ(GC-PID/ELCD法)により土壌ガスを現地分析(フェイズU調査)

ICP発光分光分析装置により重金属を分析(フェイズU調査)


ボーリングによる深度方向の土壌サンプリング(フェイズU調査)

バックフォーにより汚染土壌を撤去(フェイズV)

  • 環境省では土壌調査を適正に実施するため、一定の技術力等を有する業者を指定調査機関として認定しております。当社はこの土壌汚染対策法に基づく指定調査機関です。
  • 計量証明事業所の当社は土壌の採取から分析まで自社調査しております。正確、迅速な調査結果をご提供いたします。
  • お客様からのサンプル持込または送付による分析も受付しております。その際、サンプル瓶、バックは貸与します。